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2010年04月01日

かわいい子には旅をさせろ・・・

今まで私の右腕として厨房での時間を共にしてきた弟子が、本日をもって店を上がります。

彼が「ちばな」に来たのが3年前。
調理師学校からの紹介で入店してきましたが、当時はぺーぺーのぴよぴよ君です。
いくら学校で学んで実習を積んだとはいえ、所詮学生。
海を知らない人間がプールサイドで水掻きの練習をしてきたようなモンです。

一応、弁当屋チェーン店でバイトはしていた様ですが、当然鮮魚・精肉は無いし、一時加工品を仕入れてからの
二次加工調理が仕事なので、包丁捌きや味付けは一切無し。 

そんな彼が、何度も怒られ、数をこなし、お客さんに試されながらも何とか形になり、今では大きな守備範囲を任せられるまでになりました。 毎日、魚屋みたいな量の魚をさわり、アバサー、伊勢海老、すっぽん、活かになどなど・・・
初年に持たせた自前の包丁もシッカリ手になじんだようで。

そしたら、昨年頃から 
  「 北の魚を触りたい 」 
と言ってきたので、じっくりと彼の将来を考え口説いてきました。 
私自身がそうなのですが、最初の店である程度上に上がってくると、他の店でも通用するのか自分の腕を試してみたくなる。
そんな話を以前に彼に話したことがキッカケで彼なりに色々と考えたようです。

今の若いうちに何でも経験をしたほうが良いので引き止めません。
店には大きな痛手ですが、彼の気持ちも解るので断腸の思いで送り出すつもりでした。
しかし、何故に北海道に行きたい? 帰ってからどうする? って不安が引っかかっていたので、じっくりと口説いた。

和食の勉強会に行かせ、調理師会の会合に参加させ、モアイにも同行させ、いろんな先輩方の意見を聞かせる事で
彼の漠然とした考えに判断材料がそろってきた様でして・・・彼なりに答えが出ました。

結論。
一ヶ月間の春休みを与える。それを留学期間にするか研修旅行にするかは本人次第。
5月には復職。

「 せっかくの休みを大いに使え! 東京、大阪と食べ歩きでもいいじゃないか。
同世代の人が食べたことの無いような食材や料理を今、経験することが将来の財産になる。
そう考えると50万円位使ったって、それは自己投資。 吐きながら食べて来い!
 (牛丼家とかラーメンは食べんでいいよ) 」
 
そう言って見送りました。

彼が帰ってくる時は、彼なりの価値観や方向性が今よりは確立されてくるでしょう。


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Posted by k’s at 02:07│Comments(0)ボヤッキー
 
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